好きな人ができると、自分からLINEを送りたくなる。会いたいと思えば、自分から予定を聞きたくなる。彼が忙しそうなら、少し我慢して待とうとする。
これだけを見ると、別に悪いことをしているようには見えません。むしろ、好きな人に対して一生懸命なだけです。
ただ、恋愛相談の現場で見ていると、この「好きだから頑張る」が、途中からかなり苦しい恋に変わってしまうことがあります。
最初は、ただ彼に近づきたかっただけ。関係を壊したくなかっただけ。嫌われたくなかっただけ。
でも気づいたら、彼の返信を待ち、彼の予定を待ち、彼の機嫌を見ながら、自分ばかりが恋を支えている。
今回は、女性が追いかけ続けた恋の先に何が待っているのかを整理していきます。
追いかける恋には、手に入るものがある
まず最初に、誤解してほしくないことがあります。
女性が追いかける恋には、ちゃんと手に入るものがあります。それは、男性と付き合いやすくなることです。
女性が自分からLINEをする。会う流れを作る。彼の予定に合わせる。彼が少し曖昧でも、こちらが空気を読んで関係をつなぐ。
こうすると、恋愛は進みやすくなります。
たとえば彼が「今度ごはんでも行こう」と軽く言ったとき、あなたが「行きたい。いつ空いてる?」と返せば、予定は決まりやすくなります。
彼の返信が少し遅くても、あなたが明るく返し続ければ、会話は続きます。彼がはっきり誘ってこなくても、あなたが「この日なら空いてるよ」と言えば、会える可能性は上がります。
だから、追う恋は最初の段階ではうまくいっているように見えます。
連絡は続く。会える。距離も縮まる。付き合えることもある。
だからこそ、女性はやめにくいのです。
「私が頑張ったから進んだ」
「私が合わせたから会えた」
「私が我慢したから関係が続いた」
こう感じる出来事が、実際に起きるからです。
でも、ここで大事なのは、付き合いやすい恋と、愛され続ける恋は同じではないということです。
付き合えたあとも、追う形が残ってしまう
追って始まった恋の怖さは、付き合う前に作った関係の形が、付き合ったあとも残りやすいことです。
付き合う前から、あなたが連絡をつないでいた。あなたが予定を合わせていた。あなたが不安を飲み込んでいた。あなたが彼の曖昧さを受け入れていた。
すると、付き合ったあとも同じことが起きやすくなります。
彼から連絡が少ないと、あなたが送る。彼が予定を決めないと、あなたが聞く。彼が疲れていると言えば、あなたが我慢する。彼が向き合ってくれないと、「今はタイミングじゃないのかも」と自分を納得させる。
これでは、付き合っているように見えても、恋の運転席にずっとあなたが座っている状態です。
二人の恋のはずなのに、進めるのもあなた。つなぐのもあなた。耐えるのもあなた。空気を整えるのもあなた。
彼のほうを見ても、「あなたが始めた物語でしょ?」とどこか他人事。こういう関係になっているカップルが非常に多い。
もちろん、女性が何もしてはいけないという話ではありません。
ただ、気づいたらあなたばかりが恋を動かしているなら、それは「愛し合っている関係」ではなく、「あなたが頑張って維持している関係」に近づいています。
追いかけている自覚がないまま、自分を後回しにしてしまう
追いかける恋の怖いところは、本人にあまり自覚がないことです。
「私は彼を追いかけています」と思いながら恋愛している女性は、実はそこまで多くありません。
多くの場合は、もっと普通の言葉で考えています。
彼が忙しそうだから、私が合わせよう。彼に負担をかけたくないから、今日は言わないでおこう。せっかくいい感じだから、ここで重くなりたくない。私が少し我慢すれば、うまくいくはず。
本人の中では、優しさです。思いやりです。彼を大切にしているつもりです。
でも恋愛では、その優しさが少しずつ自分を後回しにする形へ変わることがあります。
最初は、自分からLINEするだけだったはずです。でもそのうち、彼から連絡が来ないと不安になって、また自分から送るようになります。
最初は、彼の予定に合わせるだけだったはずです。でもそのうち、自分の予定を入れる前に「彼から連絡が来るかも」と待つようになります。
最初は、嫌われたくなくて少し我慢しただけだったはずです。でもそのうち、本当は寂しいのに、寂しいと言えなくなります。
ここで恋の形が変わります。
「好きだから頑張る恋」から、「私が頑張らないと続かない恋」になっていくのです。
あなたが頑張るほど、彼は頑張らなくてもよくなる
ここで、彼側にどんな関係を覚えさせているのかも見ておく必要があります。
難しい男性心理の話ではありません。かなりシンプルです。
あなたが毎回連絡を埋めると、彼は「自分から連絡しなくても関係は続く」と覚えます。あなたが毎回予定を合わせると、彼は「自分からちゃんと予定を作らなくても会える」と覚えます。
あなたが寂しさを飲み込むと、彼は「そこまで向き合わなくても大丈夫なんだ」と覚えます。あなたが彼の雑さに理由をつけ続けると、彼は「このくらいの扱いでも許されるんだ」と覚えます。
これは、彼が最初からあなたを雑に扱おうとしているという意味ではありません。
ただ、人は、しなくても困らないことを、わざわざ頑張らなくなることがあります。
あなたが全部予定を決めてくれるなら、彼は決める必要がありません。あなたが寂しいと言わずに笑ってくれるなら、彼はあなたの寂しさに気づかないままです。あなたが毎回「大丈夫」と言ってくれるなら、彼は本当に大丈夫なのだと思います。
追いかけ続ける恋で怖いのは、彼を悪者にすることではありません。
あなたが頑張れば頑張るほど、彼が頑張らなくても成立する恋になってしまうことです。
追い続けた先に待っている3つの地獄
追いかけ続けた恋の先には、わかりやすく3つの地獄があります。
返信待ちの女になる
ひとつ目は、返信待ちの女になることです。
彼から返信が来たら安心する。来なかったら、一気に不安になる。
スマホを何度も見て、通知が鳴るたびに彼かと思う。仕事をしていても、友達といても、どこかで彼の返信を気にしている。
本当はその日一日、自分の生活がちゃんとあったはずです。
でも、彼から返信が来るかどうかで、その日の気分が決まってしまう。
これが続くと、彼が好きなのか、彼から返信が来て安心したいだけなのか、自分でも分からなくなっていきます。
予定待ちの女になる
ふたつ目は、予定待ちの女になることです。
彼が会えると言えば会う。彼が無理と言えば我慢する。
本当は自分の予定を入れたいのに、「もしかしたら彼から誘われるかも」と思って空けておく。友達に誘われても、彼から連絡が来るかもしれないから即答できない。
休日が来ても、自分のために使うというより、彼の予定が入るかどうかを待つ日になります。
これが続くと、生活の中心が彼になります。
苦しいのは、彼にはそれが見えていないことが多いことです。
あなたの中では、彼のために空けている。でも彼から見ると、あなたが勝手に空けてくれているだけ。
このズレが、女性をどんどん苦しくさせます。
言い訳探しの女になる
三つ目は、言い訳探しの女になることです。
これが一番きついです。
本当は雑にされている。本当は寂しい。本当はもっと大切にされたい。
でも、そこで現実を見ると苦しいから、自分で彼をかばい始めます。
「忙しいだけだよね」
「疲れてるだけだよね」
「不器用なだけだよね」
「私が求めすぎなのかも」
最初は、彼を理解しようとしていただけかもしれません。
でもいつの間にか、彼に傷つけられた自分の気持ちを、自分で黙らせるようになります。
「寂しい」と感じた自分に、「それくらい我慢しなよ」と言う。「大切にされてないかも」と感じた自分に、「そんなこと考えるから重くなるんだよ」と言う。「もう疲れた」と思った自分に、「でもここで離れたら今までの努力が無駄になる」と言う。
ここまで来ると、彼があなたを雑に扱っているだけではありません。
あなた自身も、自分の気持ちを雑に扱い始めています。
追いかけ続けた恋の地獄は、付き合えないことではない
追いかけ続けた恋の地獄は、付き合えないことではありません。
むしろ、付き合えてしまうことです。
付き合えたのに、ずっと返信待ち。付き合えたのに、ずっと予定待ち。付き合えたのに、ずっと彼の機嫌待ち。
彼女になったはずなのに、心の中ではずっと片思いをしている。
これが一番苦しいのです。
周りからは「彼氏いるじゃん」と言われる。自分でも「一応付き合ってるし」と思う。
でも中身は、安心できない。大切にされている実感がない。彼からの小さな反応で、天国にも地獄にも落ちる。
彼に振られるのも、もちろんつらいです。
でも追いかけ続けた恋で本当に怖いのは、彼を失うことではありません。
彼を失わないために、自分を後回しにし続けることです。
そしてどこかのタイミングで、ふと思うのです。
「私、彼と付き合っているのに、全然幸せじゃない」
ここまで来る前に、一度立ち止まってほしいのです。
追うのをやめるとは、彼の分まで恋愛を背負うのをやめること
追うのをやめると聞くと、急に冷たくするとか、返信を遅らせるとか、わざと不安にさせるとか、そういう駆け引きを想像する人がいます。
でも、そういう話ではありません。
追うのをやめるとは、彼を嫌いになることではありません。好きな気持ちを隠すことでもありません。
彼の分まで恋愛を進めるのをやめることです。
連絡を全部あなたが埋めない。会う予定を全部あなたが作らない。彼が雑だったときに、毎回あなたが理由を作って許さない。寂しい気持ちを全部ひとりで処理しない。
彼が動かない恋を、あなた一人の努力で続けない。
たとえば、会いたいと思うことは悪くありません。
でも、いつもあなたから聞いて、いつもあなたが日程を出して、いつもあなたが場所を決めているなら、一度止まって見てください。
彼はこの恋を進めようとしているのか。
それとも、あなたが進めてくれるから乗っているだけなのか。
ここを見ないと、また同じ地獄に戻ります。
好きな人に好意を見せるのは大事です。でも、好きだからといって、彼の恋愛の仕事まであなたが全部やってはいけません。
二人の恋なら、二人で動く必要があります。
あなたが少し手を離しただけで終わる恋なら、それはあなたが壊したのではありません。
最初から、あなた一人で支えていただけです。
あなたばかりが頑張る恋は、愛されている恋ではない
女性が追う恋には、手に入るものがあります。
男性と付き合いやすくなる。関係が進みやすくなる。会える可能性も上がる。
だから、追うこと自体を全部悪者にする必要はありません。
でも、その恋が付き合ったあとも、ずっとあなたが頑張る形のまま続いていくなら、その先はかなり苦しいです。
返信待ちになる。予定待ちになる。言い訳探しになる。
そして最後は、彼女になったのに、心の中ではずっと片思いをしているような恋になります。
好きだから頑張る恋が悪いわけではありません。
でも、あなたが頑張らないと続かない恋なら、それはもう、愛されている恋ではなく、あなたの我慢で延命している関係です。
もし今、「私ばっかり頑張っているかもしれない」「どこからが思いやりで、どこからが追いすぎなのか分からない」「彼のことが好きすぎて、冷静に見られない」と感じているなら、一度立ち止まって整理してみてください。
恋愛戦略相談では、彼の気持ちを当てるのではなく、今の恋があなたばかり頑張る形になっていないか、彼がちゃんとあなたを大切にする関係になっているかを一緒に整理します。
恋愛は、好きな人を追いかけるためにあるものではありません。
あなたが、自分を大切にしたまま愛されるためにあるものです。
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